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糖尿病網膜症とは

・長期間血糖コントロールが不良な状態が続くと網膜に出血(眼底出血)、白斑などが生じてきます(非増殖糖尿病網膜症)。

・進行し網膜に新生血管や増殖膜が出現すると、増殖糖尿病網膜症という状態になり、著明な視力低下をきたすことがあり、最悪の場合失明することもあります。

・糖尿病網膜症は成人失明原因の第2位となっています。

非増殖糖尿病網膜症(中等症)
非増殖糖尿病網膜症(中等症)
非増殖糖尿病網膜症(重症)
非増殖糖尿病網膜症(重症)
増殖糖尿病網膜症
増殖糖尿病網膜症
進行した増殖糖尿病網膜症
進行した増殖糖尿病網膜症

糖尿病網膜症の症状

  • ・かなり進行するまで症状がでないことがほとんどです

  • ・進行し黄斑部が障害されたり、硝子体出血を生じてくると、視力低下や飛蚊症を自覚するようになります


糖尿病網膜症の検査

1.眼底検査:散瞳して網膜の隅々まで異常がないか調べます

*健診の眼底検査は無散瞳でカメラ撮影だけおこなうことがほとんどですので、
網膜の全体を調べている訳ではありません。スクリーニング検査としては有用
ですが、精密検査は眼科で受けることをおすすめします。


*一般的な糖尿病(2型糖尿病)は、発症時期が不明なことがほとんどです。糖尿病が
発見された時には、それよりずっと前から糖尿病だったのに気づいていなかっただけかも知れません。

*健診や内科で糖尿病の診断を受けたら、眼科専門医による眼底検査を受けるようにして下さい


2.蛍光眼底造影検査:血管内に造影剤(蛍光色素)を注入し眼底の状態を調べる検査です。
大変有用な検査ですが、まれに重篤な副作用を発症する危険性もありますので、その必要性は医師が慎重に判断します


蛍光眼底造影検査

新生血管から旺盛な蛍光色素漏出が認められます



暗く(黒っぽく)見える部位は網膜血管が閉塞しています

蛍光眼底造影所見



3.OCT検査:視力障害の原因となる黄斑部の状態を短時間、非侵襲的、正確に判定できます

非増殖糖尿病網膜症(中等症)

糖尿病黄斑浮腫(視力0.05)

非増殖糖尿病網膜症(中等症)

同症例のOCT所見
著明な黄斑浮腫が認められます
(黒い部分)


非増殖糖尿病網膜症(中等症)

正常人のOCT所見(参考)


糖尿病網膜症の治療

1.網膜光凝固

・糖尿病で痛んだ網膜にレーザー光線を当てる治療です。

・非増殖糖尿病網膜症が進行してきたら(重症非増殖糖尿病網膜症、前増殖糖尿病網膜症)、光凝固をおこないます。

・網膜血管床閉塞領域を主として光凝固をおこなう病巣凝固と、網膜全体に光凝固をおこなう汎網膜光凝固があります。

・汎網膜光凝固は通常、間隔を開けて数回以上に分けておこないます。

・光凝固による網膜症進行予防効果は実証されていますが、施行後黄斑浮腫の進行により視力低下をきたしたり、増殖網膜症への進行を阻止できない場合もあります。

・増殖糖尿病網膜症に対しても光凝固の効果は認められています。しかし、重症度が増すにつれて効果は乏しくなってしまいます。



2.硝子体手術

・吸収しない硝子体出血、黄斑部に影響を及ぼす増殖膜や網膜剥離などがある場合には硝子体手術をおこないます。

・黄斑浮腫による視力低下に対して硝子体手術をおこなうこともあります。


3.硝子体内注射

・黄斑浮腫による視力低下に対して、TA(トリアムシノロンアセトニド)や抗VEGF製剤を硝子体内に注射することがあります

・副作用、適応外使用の問題があり、未だ研究途上の治療法です。